現実逃避のレビュー部屋

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映画「ディストラクション・ベイビーズ」レビュー

見る人を選ぶ作品であることは間違い無いだろう。

物語の筋らしきものは半分を過ぎるまで出てくる気配すらない。

一人の青年の狂気を覗き込むような映画だ。

主人公(柳楽優弥演)の後を、カメラはひたすら追って行く。

彼は誰彼構わず喧嘩をふっかけては殴り、殴られる。

彼は一体何を考えて、何を思い、行動しているのか。不思議に思いながら、その一挙一動に釘付けになってゆく。

描写は演技っぽさを排した、生々しいもので、大げさで突拍子がないけど、どこか真実味がある。そんなバカな、と思いながら、生身の人間、生身の世界が描かれているように感じられる。殴られる痛みや混乱がひしひしと伝わってくる。

本物の喧嘩。殴り、殴られ、殴られる。しかし、普通と違う。それは柳楽優弥が、何かのために怒ったり、イデオロギーの代弁として拳を振るうのではなく、喧嘩を求めるために喧嘩をしているからだろうか。

その狂気に当てられたのが前半は観客なのだとしたら、後半は他3人の登場人物たちだ。狂気は伝染し、事件は加速する。

 

参照:

公式ホームページ - 映画『ディストラクション・ベイビーズ』公式サイト