現実逃避のレビュー部屋

漫画、アニメ、映画、ドラマなど、不定期にオススメ作品をレビューします。

映画「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」レビュー

日常系(?)コメディ。

ラノベやマンガとかでヴァンパイアといったら、超能力使って戦ったりするんだろうけど、この映画は一味違う。

ヴァンパイアたちの日常をドキュメンタリー風に描いていて、その生活を微細に描いている。

どのヴァンパイアも驚くほどイイヤツで、アホで、じわじわと面白い。

おすすめだ。

 

参照

映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』オフィシャルサイト

アニメ「Flag」レビュー

ひょんなことから見つけた掘り出し物的なアニメ。

手法が特殊すぎて合わない人もいるかもしれない、が。

アニメーションの滑らかさ、美しさ、CGとの見事な融合、音楽、心情描写、どれも埋もれたままでは惜しい一流品だ。

主人公の声優も、どこか抜けていて、それでいながら強い芯を持っている性格を、よく表現できている。

 

タイトル「Flag」の由来は第1話で明かされ、このアニメを通じてのテーマとなる。

そのエピソードに、不覚にも目頭が熱くなってしまった。詳しくは、自分で見て確かめて見てほしい。

 

作品はカメラマンと写真を一つのテーマとしている。登場する写真は(もちろん絵で描かれている)、どれも本物の、人を引き入れて魅入らせてしまうほどの本物らしさで、さすがだ。

アニメは全体を通して、カメラのレンズによって捉えられる映像のみで構成される。この特殊さゆえに、慣れない人もいるかもしれないし、実際見やすさはいくらか犠牲になってしまっているように思う。

だが、これを貫いたことで、シャッターが押され、それまでレンズ越しに覗いていた世界が一枚の写真となる瞬間、鳥肌が立ち身震いするだろう。この一点において、この手法はアニメのテーマと合致し一つの成功を収めているといえよう。

 

メタ的な物語というか、国家の情勢とかの話については、有り体に言えば陳腐だ。私自身娯楽作品に描かれる政治のうんちゃらかんちゃらは、ただ敵と味方を作るために盛り込んでいるだけに思えて、好きになれないことが多い。

また、戦闘のリアリティは少し疑問に思う箇所もちらほらあるかもしれない。

打が先述の通り心情描写が素晴らしく、それが写真と相まって、素晴らしい作品になっていると思う。

アニメ「正解するカド」レビュー

異星人(未知)と遭遇するまで描く作品は星の数ほどあれど、その後を描いた作品は数える程しかないだろう。

正解するカド」はそんな数少ない作品の中でも、「その後」を緻密に描写し、「未来は一体どうなるのか」という好奇心をこの上なく刺激してくれる作品である。

高次元・宇宙の外「異方」、異方から無尽蔵の電気エネルギーを取り出す「ワム」といった概念を導入するだけではなく、それが実際にこの世界にもたらされたとして、何が起こるのか。

貧富の差は持つ者と持たざる者が生まれることで生じる。ではなぜ持つ者と持たざる者が現れるか、それは資源が有限だからだ。電力ーもっと広義にエネルギーーが無限に取り出せるとして、この差は埋まるのだろうか。仮にワムが有限個だったとしたら、ワムを実際に利用するために配電線など現実的・物理的な制限ができていたかもしれない。しかしワムは誰でも作れるということが公表されてしまった。それまでの政治的駆け引きをどんでん返しするように、理論上ではなく事実上本当に無限のエネルギーを利用できる未来が開けたわけである。

正解する、という言葉はなかなかいいチョイスだと思う。それは正義のような意味合いにも似ているが、一切のイデオロギーを感じさせない、ピュアな前進のような言葉。これからこのアニメがどんな「正解」を描いていくのか、見守りたい。

 

参照

公式ホームページ:正解するカド KADO: The Right Answer

映画「ディストラクション・ベイビーズ」レビュー

見る人を選ぶ作品であることは間違い無いだろう。

物語の筋らしきものは半分を過ぎるまで出てくる気配すらない。

一人の青年の狂気を覗き込むような映画だ。

主人公(柳楽優弥演)の後を、カメラはひたすら追って行く。

彼は誰彼構わず喧嘩をふっかけては殴り、殴られる。

彼は一体何を考えて、何を思い、行動しているのか。不思議に思いながら、その一挙一動に釘付けになってゆく。

描写は演技っぽさを排した、生々しいもので、大げさで突拍子がないけど、どこか真実味がある。そんなバカな、と思いながら、生身の人間、生身の世界が描かれているように感じられる。殴られる痛みや混乱がひしひしと伝わってくる。

本物の喧嘩。殴り、殴られ、殴られる。しかし、普通と違う。それは柳楽優弥が、何かのために怒ったり、イデオロギーの代弁として拳を振るうのではなく、喧嘩を求めるために喧嘩をしているからだろうか。

その狂気に当てられたのが前半は観客なのだとしたら、後半は他3人の登場人物たちだ。狂気は伝染し、事件は加速する。

 

参照:

公式ホームページ - 映画『ディストラクション・ベイビーズ』公式サイト